DCSシステム コントローラー

DCSシステム コントローラー

国際的企業の石油化学メーカーがネクスコムをベースとした DCS を管理環境に展開

更なるインテリジェント化と効率化を目指して

商取引はますますグローバル化しており、メーカーはかつてない競争圧力と脅威に直面しています。競争力を維持するためには、あらゆる追加支出をカットし、ありとあらゆるプラント効率化を実施する必要があります。 

このためにネクスコムのある顧客は、すでに効果的に整備されていた 300 以上の工場・プラントについて検証を行い、ある問いかけを行いました。「どこを削れるだろうか?」 彼らの答えは誰もが驚くものでした。それは、Intel® プロセッサを搭載した分散制御システム(DCS:Distributed ontrol System、 以 下 DCS)だ っ た の で す。DCS は 世 界 中 で プ ロ セ スオートメーション用途のために活用されているものですが、ここではスムーズなオペレーション、長期的なメンテナンス、陳腐化による途絶の最小化のため、Intel プロセッサーベースの DCSソリューションが総所有コスト(TCO)の削減と運用効率向上を目的として選定されていました。

 

ネクスコムは Intel® Internet of Things Solutions Alliance のアソシエイトメンバーです。このユーザーは、その極めて優れた製造手腕を動員して独自の DCS システムの非効率な部分を特定し、その不正確な製品サイクルと高い在庫リスクに対処すべく取り組みを行いました。DCS に的を絞ったユーザーは、その DCS 戦略の総点検を開始されました。ここでは、カスタム Intel プロセッサーベースのパーツを基としたカスタムソリューションの開発も行われました。同社は、すべての新シsステムの展開が完全に完了すれば、TCO が大幅に削減され、運用・保守効率が著しく改善されることを期待しました。

 

メンテナンスコスト削減、オープンアーキテクチャー

このプロジェクトは世界各地に 300 以上のプラントを擁する世界有数の石油化学メーカーです。なかには製油所、製鉄所、石油化学工場、発電所などがあります。これら大規模施設を円滑に運営するため、同社は様々な DCS システム(26 の異なるメーカーのもの)を利用することで異なる制御環境における多様な要件に対応しています。

このアプローチによって多種多様なプラントに対応するというニーズを満たすことができたものの、これは保守や運用という観点では非常に非効率であり TCO も高くなります。スペアパーツの在庫は広範なものとなり、これらシステムの保守方法のノウハウを得るための投資だけでも運用コストが上がり業務の複雑性が増します。そこで同社の経営陣は、Intel® アーキテクチャベースシステムのような標準化ソリューションならばこうした経費の多くの削減することができ、社内カスタマイズ能力を活用することで FPC 全体としての競争力を高めることができるのではないかと考えす。

NISEによる DCSソリューション

標準化 DCS ソリューションの第一の要件は、すべての FCP 施設で利用でき、異なる機能を提供し必要に応じて多様なタスクを実行するための設定が可能な統合ハードウェアプラットフォームであることでした。FPC は、在庫・保守コストの削減および TCO のカットという目標を達成するためには長期サポートと世代間互換性のあるオープンアーキテクチャが不可欠であると判断しました。加えて拡張性の高いアーキテクチャは、異なる環境における特異的な要件に対応できる柔軟性を備えた単一ソリューションの構築を可能にすると思われました。これは、それぞれの制御シナリオに合わせて異なるシステム(MMI、コントローラー、ゲートウェイなど)を活用するよりもはるかに容易なアプローチになります。スムーズなプラント運営と生産中断の予防のため、DCS は同社にとって極めて重要なツールとなっていたため、信頼性と障害許容力の高いビルトインメカニズムを必要としていました。加えて、DCS ソリューションは直接・間接にリンクされたリアルタイム制御ユニットに対応しなければなりませんでした。ここでは、正確性と緻密さがカギとなります。これらの理由から、同社のコンピューティングプラットフォームには中断なく高クロックスピードで複数のタスクを同時処理する能力が求められています。

DCS 標準化ソリューションは、複数の下位システムで構成されています。それぞれ複数のユニットからなっており、すべてネクスコムとの共同開発によって生まれた統合ハードウェアプラットフォームを利用することができます。統合ハードウェアプラットフォーム自体は複数の Intel® プロセッサーベースのコンポーネントで構成されており、これには産業用 PC とネクスコムのNISE 3660 が含まれています。NISE* 3660 は、冗長コントローラーとマンマシンインターフェース(MMI)という 2 つの役割を同時に果たすものです。多様な工場環境すべてを考慮に入れ、FPC はMMI、制御、I/O を含む複数の制御プロセスにまたがって機能する最善の DCS ソリューションを開発しました。このソリューションは発電、熱電供給プロセス、中流・下流プロセスで活用されています。図1
 

NEXCOM NISE 3660 is installed in the cabinet as a DCS controller.
図1. NEXCOM NISE 3660 is installed in the cabinet as a DCS controller.

NISE/NIFE コントローラーの導入

ユーザーは既に採用していた前世代のネスコムMMI システムの導入実績や、その経験などを踏まえて、カスタム DCS 開発パートナーとして今回もネクスコムを選定しました。加えてネクスコムは、DCS アーキテクチャハードウェア設計に関する知識など、DCS について専門性を持つ数少ない産業用 PC メーカーであったことも選定理由となりました。ネクスコムはその専門性と、世界中のオートメーション環境で使用するファンレス PC ベースコントローラーやパネルコンピューターの長年にわたる開発実績から、このプロジェクトへの採用を勝ち取ることができました。

ネクスコムの NISE 3660 冗長コントローラーおよび MMI ソリューション(下図参照)には、コントローラーと MMI 両方の用途に求められるすべての機能インターフェースが備わっており、ニーズに応じていずれの用途にも活用することができます。加えて、コントローラー専用インターフェースと MMI 専用インターフェースはそれぞれ異なる面に配置されています。これは現在発売されているほとんどの専用コントローラーや MMI 製品にはない特徴です。こうしたその他製品であれば、企業には両方の在庫を保有することが求められます。

冗長コントローラーとして使用する場合は、NISE 3660 はリアルタイムオペレーティングシステムとして信頼性の高い制御スキームを実行し、Microsoft Windows を高解像度グラフィックを表示するための MMI として利用します。制御の冗長性をもたらすだけではなく、以下に示す通り I/O の冗長性も提供します。すべてのアクティブなコントローラーは、2 つの LAN を介してバックアップコントローラーに接続されるのです。NISE3660 をベースとし、PLC やリモート I/O に接続するためのフィールドバステクノロジーにも対応しています(顧客によって PROFIBUS 互換性の試験・認定済み)。図2

 

NEXCOM NISE 3660 as deployed in the customer's DCS
図 2. NEXCOM NISE 3660 as deployed in the customer's DCS

インテルのマルチコアコンピューティングとスケーラブルなプロセッサ

新 DCS 設計向けにIntel プロセッサーベースのコンポーネントを選定したのには、複数の理由があります。それは、パフォーマンス、長期サポート、世代間互換性、拡張性などでした。例えば、マルチコア Intelプロセッサーは高クロックスピードで動作し、複数のジョブを一度に実行することができます(ひとつのコンピューティングコアでひとつの重要タスクを実行しながら、別のコアで別のタスクを実行)。これにより、ひとつの Intel プロセッサーを複数のレガシープロセッサーに置き換え、ソリューション全体の費用対効果(C/P)を高めることが可能になるのです。
FPC はさらに、Intel® Embedded Product Roadmapに従い Intel の長期的な製品可用性へのコミットメントの恩恵を受けることで継続的に最高の C/P 値を得つつ、在庫コストを削減することも期待しています。そうすれば FPC は、過去のソリューションと比較し、一般的な DCS コントローラーの 10 年寿命サイクルのための在庫を削減することができるのです。また、同社のプラントはそれぞれに規模が異なり・制御システムの機能(制御、保護、モニタリングなど)も様々であるため、多様なコンピューティング性能要件を備えた DCS ソリューションが必要です。その点、Intel® Core™ および Intel® Atom™プロセッサーは、単一のソリューションによって様々な規模に対応するうえで効果的です。

NEXCOMの付加価値

新世代 DCS ソリューション展開の最終段階に入っています。プロジェクトが完了すれば、工場・プラントの効率性が著しく向上するとともに、新たな Intel® アーキテクチャベース DCS システム導入によって TCOが劇的に削減されることも期待されます。 

本プロジェクトの担当マネージャーによれば、レガシー ASIC(特定用途集積回路)を x86 アーキテクチャに置き換えることにより、オンタイムの製品納入と在庫にかかる経費の約 20 パーセントを削減することが可能です。さらに、寿命サイクル保守にかかるマンパワーが削減され、ハードウェアコンポーネント陳腐化のリスクは 15 ~ 30パーセント低減されます。また、ファンレスNISE 3660 は消費電力がかなり小さいため、レガシー MMI と比較して 40 パーセントの消費電力削減に貢献します。

 

 

Take a minute and tell us what you think!